Newdubhallの5枚目のリリースとなった本作でも、まさに一筋縄にはいかないオリジナリティあふれるトラックを提供している。A面にはギンギンなシンセ・フレーズが空間を切り裂く、スローモーなニュールーツとグライムが正面衝突したような、ヘヴィーウェイトなダブを、そしてB面にはそのヴァージョンとしてドラムを抜き去り、ドローン・ノイズと低音が支配し、空間を圧迫するような重厚かつ強烈なインダストリアルなアンビエント・ダブを披露。まさにレフトフィールドなエレクトロニック・ダブの最前衛がここにある。
text by 河村祐介
1. Particular Angle / 2. Blurring Off Into Its Opposite(23june02)<-font>(23june02_13)<-font>(jreggaedub)<-font>
1st LP『Defined Riddim』、こだま和文とのコラボ・アルバム『2 Years / 2 Years in Silence』と、さまざまなスタイルのリリースが続いたUndefined。そんな彼らのホームとも言える主宰レーベル、〈Newdubhall〉から、ひさびさとなる10"シングルをリリースする。Babe Rootsに続く第4弾は、ベルリンのミニマル・ダブのベテラン、Deadbeatをフィーチャー。
Deadbeatは、2000年代初頭、グリッジ~エレクトロニカとダブの交差点を用意した、Poleことステファン・ベトケら主宰の〈~scape〉からのアルバムなどで世界的評価を受け、ベーシック・チャンネル / リズム&サウンド以降のいわゆるミニマル・ダブ・テクノの俊英として現在まで活躍を続けている。これまでにUndefinedと同じく、ZamZam Soundsからもリリース。そのシングルではレゲエ・レジェンド、故グレゴリー・アイザックをフィーチャー。現在は自身のレーベル〈BLKRTZ〉をホームに勢力的に作品をリリースしている。
本作のA面には、驚きのドラムレスのダブ・アンビエント。ブクブクと沈みゆく、水中を遊泳するようなディープな残響音の連なりは、Vladislav Delayの『Anima』を彷彿させるアブストラクトなフォルム。そして対するB面はミニマル・ダブ・テクノの、まさにDeadbeatの真骨頂。反復するヘヴィーなドラムとエコーが生成するグルーヴの波状攻撃はダンスフロアをズブズブに満たしていく。まさにベテランの揺るぎないサウンドが重く光る。静と動、ベテラン、Deadbeatの電化ダブの両サイドを堪能するべし。text by 河村祐介
1. hings Fall Apart / 2. Adieu Chez Cherie(22nov01)<-font>(22nov01_01)<-font>